江戸っ子主人が馬曲に居を構える銘酒が飲めるそば屋「健生庵 山愚」信州・木島平

秘湯として名高い馬曲温泉に向かう道すがらに「健生庵 山愚」はあります。北信濃・木島平の自然に囲まれた地に相応しい風情ある小さな佇まいのそば屋です。

店主は東京・三軒茶屋の酒居酒屋・赤鬼で締めの一品として自身で打ったそばを出していたところ評判になり、馬曲の自然と山の水が素晴らしいここ木島平に店をだされました。今でも赤鬼のそばはここで打ったものが直送されています。

以前に訪れた時の居酒屋風と違って店内は改装され、掘りこたつ形式のテーブル4卓と奥にテーブル席もあり、木のぬくもりのある居心地のよい空間になっていました。

そばメニューは「手打ち十割そば」1000円と「手打ち更科そば(外2)」950円の2種類、あとは選りすぐりの地酒、銘酒(十四代は全種類)の数々と酒の肴になります。

車ですので残念ながらお酒は飲めず手打ち十割そばを注文します。香りに優れた福井産を中心に石臼挽きで自家製粉し、打ち粉に更科粉をたっぷりとまぶされているため、蕎麦湯はとろみと旨みがあります。水は庭先の地下50mからくみ上げる天然水。(このあたりは龍興寺清水といった湧水が多い)つゆには稚内産の昆布と血合いを抜いて厚削りにした贅沢な本鰹節を惜しみなく使い、薬味には安曇野産の本わさび、そば本来の甘みや風味、香りが最大限に引き立つそばがいただけます。

うっすらと緑がかったそばは、つなぎを使わない10割だが、のどごしが滑らかで、コシがあって力強いく、ほのかな甘みが鼻にぬけます。

 

上質の素材と丁寧な仕事、粋と品を兼ね備えた松本を代表するそば屋「そば処 浅田」

JR松本駅からまっすぐあがたの森方向へ、松本美術館西の交差点を一方通行の道を右に入った住宅街に「そば処 浅田」はあります。玄関をくぐると元ホテルマンであったからかお客に気さくに声をかけ出迎えてくれます。

懐かしい雰囲気が漂う店内は8人かけと長テーブルと窓際の4人掛けテーブルそして奥に堀こたつ形式の上がり座敷があります。メニューにはお酒やつまみもあるのでゆったりとした時間が過ごせそうですが、休日となると他府県ナンバーの車が並びそういうわけにもいきません。

そば打ち名人の高橋邦弘氏のもとで修行した御主人の打つそばは、時期によって数ヵ所から取り寄せた玄そばの中から状態のよいものを自家製粉し、二八のざると十割ざるそばで供しています。そばつゆも昆布と鰹節、シイタケなど最高の素材でだしを取っています。薬味は下條産の辛味大根にこだわっておられ、本わさびは少しです。

そば猪口は有田の白磁、ざるは戸隠の手工芸品、お盆は木曽の漆器とそばだけでなく品とこだわりが感じられるお店です。

 

竹林と広葉樹に囲まれた草庵で伊那谷の絶品そばを味わう!信州伊那「こやぶ竹聲庵」

伊那谷の米を木曽谷へと運ぶために、江戸時代の元禄年間に開通した権兵衛峠越えの交易路は、権兵衛トンネルが開通し車で楽々と中央アルプスを越えることができるようになりました。そんな権兵衛トンネルの手前、伊那谷を見下ろす山の中腹に建つ、庄屋の住居のような佇まいをもつお店が「こやぶ 竹聲庵」です。

広葉樹に囲まれた入口は秋には見事な紅葉が楽しめます。かつては竹林に囲まれていたので、竹の聲(声)を聞くという意味で竹聲庵と名付けられました。

古民家の低く狭い戸をくぐって玄関で靴を脱いで店内に入ります。梁のある店内には囲炉裏が3つあり、座敷側の大きな窓には滴るような深い緑が折り重なるように見え、窓が閉まっていても、樹木が放つ芳香が漂ってくるようです。町中からやってくると、雄大な風景とその涼やかな風情に、一気に汗もひいてしまいます。

地元・伊那谷で収穫された玄そばを自家製粉した挽きぐるみを使った少し黒めの十割「ざるそば」は2枚で1030円。薬味にわさび、おろし大根、青ネギそして伊那らしく焼き味噌がつきます。少し辛めのもり汁に自分の好みでアレンジしていただけるので2枚とも変化が楽しめます。

 

 

アルプスの名水が育む艶やかさと風味豊かなそば。信州三大そば屋・駒ヶ根「丸富」

中央アルプスの伏流水の名水を求め、飯田市から移転した「丸富」。地下50mの井戸からくみ上げた駒ケ根の名水がそばの持つうま味を引き出し、どこにもない艶やかで孤高のそばを生み出しています。

戦後まもない頃の小学校をイメージした外観。赤い屋根の山小屋風でもあるそば屋とは思えないユニークさも御主人の演出。

どことなく懐かしさを感じるようなレトロな演出の店内。

しかし玄蕎麦を自家製粉した十割そばは、艶やかでほんのりとした甘味を感じる細打ち麺です。きりっとしまったコシがありみずみずしさのある美味いそば、さすが信州三大そば屋さんのひとつです。

 

創業300年!江戸時代から続く伝統の蕎麦を歴史とともに食す。木曽福島「くるまや本店」

江戸時代より続く歴史ある老舗店で、古くから木曽福島の中心にあるのが「くるまや本店」です。木曽路で「福島」の関所を代々治めていた山村代官の御屋敷に仕え、製粉業を営んでいた水車小屋を起源としています。明治時代には自家製の蕎麦粉を使った手打ちそばが評判を呼び現在はそば屋だけを営んでいます。

店内は昭和初期の昔ながらの土間と座敷にテーブル席と座敷席、囲炉裏も小さいながら切ってあります。注文してから蕎麦を湯掻く為少し時間がかかりますが美味しいそばはそうでなければいけません。

やや太めで黒い色の田舎蕎麦の三七蕎麦はコシがあるようでないような不思議なモチモチ食感で香り高い蕎麦です。さらになめらかな喉越しを楽しむことができます。薬味はねぎとワサビだけです。蕎麦は海苔をのせたざると海苔のないもりで通常2枚が並になります。

特にそばつゆが美味い、だからそば湯が旨いのです。独特のそばをしっかり受け止めているのがお店特製のそばつゆです。しっかりた独特の甘味が効いたかえしが素晴らしい味わいなのです。

戸倉上山田温泉のはずれ、住宅街にひっそり佇む「蕎麦処 ひぐち」

戸倉上山田温泉街から坂城方面へ車で5分ほどの場所にあるのが「蕎麦処 ひぐち」です。住宅街にひっそり佇む隠れ家的蕎麦処。店の前には田んぼが広がるほどのどかな場所です。和の雰囲気の入口には白い暖簾が印象的かかり洗練されたたたずまいがそば心をくすぐります。

店内は天井から和のランプシェードがつり下がり、少し明かりを落とした和モダンな店内でテーブル席が3卓のこじんまりとしたお店です。

おすすめは「二色盛り」です。丸抜きの実を自家製粉したそば粉十割を生粉打ちにしたそばの持つ風味を最大限に引き出しています。一番粉を使った二八蕎麦は食感とのどごしの良さがあります。この二種のそばを味わえるのが二色盛りなんとお値段750円なのです。ダシはカツオ節の風味が際立つきれいなつけ汁です。

そして驚きはお茶と一緒に出される奥さま手づくりの羊羹。この時期は柚子羊羹で、ほんのり柚子風味の効いた甘さを抑えたさっぱり味で美味いです。

心に響く香り高いそばの風味!信州美麻村新行そばの名店「山品」

民宿としてスタートし、旅人にそばを振舞っていたとのが始まりという「山品」。築60年ほどの農家の居間に通され、くつろいだ空間で供されるのは、香りと粘りが強い在来種の玄そばを石臼で甘皮を挽き込みミネラル分豊富な湧水で打った二八そばです。独特な甘味と風味が生き、咽越がよく、返しのきいたしっかりとした味わいのもり汁にあいます。

BS-TBS日本の旬を行く!路線バスの旅2016年6月7日放送「雪の大谷をめざす初夏の北信州」で旅人・原田龍二さんが美味しいそばを食べに行ったのが山品でした。壁という壁に有名人の色紙や写真がかけてあって圧倒される。

おすすめは壁や柱に書いてある数量限定の十割そばです。メニューに乗っていないので廻りをよくみて注文しましょう。細くて、コシがあって、香りと甘みも強く、美味しいお蕎麦がいただけますよ。

地元から愛される善光寺お膝元そば処「そば処 元屋」

善光寺のお膝元にあり、参道からは少しはずれていますが、地元民からいつも変らぬ旨い蕎麦がいただけると評判のお店が「そば処 元屋」です。表のショーケースには食品サンプルが並び、店内は古き良き時代のお店という温かみのある下町風情が残っている普通の蕎麦屋です。しかしレベルは恐ろしく高いのです。金子万平著“信州そば百選”にも選ばれていますよ。

店主自らが厳選した三種類の蕎麦粉に、自家製粉した粗挽き粉を加えブレンドして打っています。そばは細打ちながらコシがあり、そばの香り高く、すっきりとしたそばつゆとの相性も良く、喉越し抜群です。もり蕎麦の量もしっかりとあり、600円という価格はリーズナブルです。

とんかつがセットになったメニューもあり、観光客の為でなく気軽に入れる地元民のお店です。信州の味が満喫できますよ。(価格は2016年1月訪問時)

 

善光寺門前とともに歩む老舗そば店「門前そば処 藤木庵」

1300年以上の歴史を誇る名刹・善光寺を抱える県都長野市。その善光寺門前では、古くから参拝客を抱える茶屋などからそばを商いにする店に発展したそば屋が並んでいました。いわゆる門前そばです。

その中で江戸幕府、第十一代将軍徳川家斉の時代の文政10年(1827)に創業して以来、善光寺門前とともに歩み続け、今も昔も全国の参詣客に親しまれている老舗そば処。それが「門前そば処 藤木庵」です。

信濃町の生産者から届く黒姫の『霧下そば』を自家製粉した少し太めのそばは、コシ、香りともに強く、噛みしめるごとにそばの風味が口の中で広がる、そば通の間でも定評のあるところです。

おすすめは二八そばに、鰹二年物本枯節を主にだしを利かせたもり汁、すり鉢で擦ったくるみにそばつゆを合わせたくるみ汁、松代産の長イモを使用したとろろ汁の3種のつけ汁でいただく「ごくらく蕎麦」で。藤木庵ならではの逸品です。

十割そばは数量限定で売切れ次第終了なので、あったらラッキーと思って注文してください。少しお値段はアップしますが価値ありです。

野原に建つペンション風の一軒屋、盛りの多さに驚く信州川中島「たなぼた庵」

川中島古戦場近く、のどかな田園風景に佇むペンション風の店。それが、長野市に住んでいるならば、必ず行っておかなければならない、量が多くて安い店として地元で愛されている「たなぼた庵」です。宝くじに当たったお金で開店したので「たなぼた庵」という屋号になったそうです。 安くて美味しい蕎麦をたらふく食べてもらいたいという開店当初からのコンセプトは、とにかくそばをめいいっぱい食べたい方にお勧めなので、満足すること間違いなしです。

脱サラ後東京の「上野藪そば」で修行した御主人が打つ蕎麦は、3本の麺棒巧みに操る江戸前流で粉10に対してつなぎ2を用いた外二そば。もりそば(600円)は、細めながらシャキッと角が立つ強さを持ち、噛みしめた途端に香りが押し寄せてきます。盛りの良さにも店主の心意気が表れています。そばつゆで煮たあげが香ばしいいなり寿司(2ヶ150円)と一緒に是非味わってください。

もりそばも良いのですが是非試していただきたいのが「カレーつけ蕎麦900円」です。そば屋のカレー汁はダシが効いているのはもちろんですが、食べるほどに辛さがピリッと効いて食が進みます。具は長ネギと柔らかい鶏モモ肉ですが、結構ゴロゴロと入っていますので食べ応えがありますよ。テーブルの上には信州ならではの八幡屋磯五郎の七味が置かれていますのでお好みでかけてみてください、味が引き締まります。

 

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