風流な庭園、雅な空間、小京都のような空間で旨い蕎麦を嗜む!信州岡谷「蕎麦 あきしの」

石畳の坂道を下ると右手にあずまやとつくばいが迎えてくれ、竹や楓、芍薬が緑陰を広げる閑寂な趣の庭に出る。アプローチからすでに粋なもてなしの物語が始まっています。この“仕掛け”はご主人の趣味であ茶事に負うところが大きい。味、空間、もてなし、すべてのバランスを心がけています。

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住宅を少しだけ改装した心落ち着く個室のような店内で、趣のある庭を眺めつついただくことができる。

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注文したのは鶏汁そばでそばを盛っている美しいざるは特別な職人さんが作ったもので素敵です。もちろん鶏つけ汁も大ぶりの鶏肉にまん丸なつみれがしっかりと入っていて、しょうゆだしに味が染みています。またここの人気メニューのひとつがかき揚げです。ねぎと小海老のかき揚げは小海老がぷりぷりです。塩で食べてみてください。

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バランスということではそばとつゆとの相性も出色です。そばは八ヶ岳山麓産を丸抜きで仕入れて自家製粉。つゆは宮崎産の椎茸、利尻昆布、鰹節でだしをとり、厳選した醤油で作ったかえしを合わせています。

最後のお菓子は栗入り蒸しようかんで粋なセンスを感じます。

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地元のそばを自家製粉した蕎麦のコースをお洒落にいただく富士見町「蕎麦 にしむら」

雄大な自然と美しい景観に恵まれた富士見町にあるのが「蕎麦 にしむら」です。八ヶ岳産のそば粉を丸抜きの状態で挽いたそばがいただけます。国道20号から坂を上った住宅街の一角に山小屋風の建物があります。

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階段を上って入口を入った先の部屋には一番奥に薪ストーブが置かれ、フローリングの床に木の窓枠、温かみのある色の壁と落ち着いた雰囲気の空間でジャズを聴きながらそばがいただけます。

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新年ということもあり昆布巻きに黒豆、鰊と小鉢にいれられたおせちがいただけました。注文したそば1000円が出てきたときにはそばの香りが漂ってきて期待に胸躍りました。しかししかしです、一口食べて口がまがりました。そばは冷たくしめてあるにもかかわらず、コシがない柔らかいそばでした。御主人がおられず調理していたのが奥さまのようで湯がき方を間違ったのでしょうか?一気に気持ちが萎えてきました。

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娘さんが隣でケーキ屋「キャトルセゾン」をされていて評判も高くお店でもいただけるのですがもう気持ちがはいりませんでした。

 

信州三大蕎麦の名店は、そば作からこだわる至極の一品。信州小布施「せきざわ」

写真撮影お断りで栄村にある自家農園で作る玄そばから打つ店主こだわりの蕎麦を提供する「せきざわ」。蕎麦会席(二名からの予約)と三昧蕎麦がおすすめの小布施のくだもの街道沿いにあるそば屋です。

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店内は木のテーブル席と薪ストーブの暖炉がありお洒落な空間で落ち着きのある雰囲気です。無垢のヒバ材が柔らかい光を投げかける店内は木の香りがしてくるような温かみがあります。広いテーブルでゆったりいただける。

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やはりおすすめは三昧蕎麦です。一人前を3種類、お蕎麦を最高の状態で食べられるようにひと味ごとにちょうど良いタイミングで配膳されます。一枚目は生粉打ち。そば粉100%を水だけでこねて打つ、細打ちの蕎麦です。香り、なめらかな舌触り、のど越し、もちっとした食感が良く噛むと蕎麦の風味が口に広がる。せきざわの蕎麦をあらわしています。

二枚目は変わり蕎麦でこの日は柚子でした。配膳と同時に柚子の爽やかな香りがテーブルに広がり、口に入れた時の柚子の爽やかな香りが噛みしめるとさらに広がる。食べ終わってもしばらく柚子の余韻に浸れます。もちろん綺麗な透き通った黄色蕎麦の彩りといい、見た目といい最高です。

三枚目が粗挽きの蕎麦、丸抜きの部分を粗挽きにした、太めでもちっとした食感で噛むと甘みを感じます。全体的に上品できれいな洗練された蕎麦です。

デザートはそば粉を使った蒸し羊羹「むらくも」は「月にむらくも花に風」を意匠化したもので、栗を月に、白あん・黒あんを雲と夜空に見立てた風流な和菓子です。そば粉とあんとの調和がすばらしく上品な甘さがいい半分はそのままで残りの半分をブランデーをかけて味わうと洋菓子のような華やかな味が楽しめる。

 

鴨・地場産物にこだわる名店のそばは八ヶ岳からの湧水でキリリと締まる。北杜市「手打蕎麦 さかさい」

以前はペンションであったというお店から清里高原道路をはさんだところに2002年10月に移転オープンしてはや10年以上がたちました。

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八ヶ岳山麓の豊かな自然に囲まれたお店は木の温もりあふれる落ち着いた店内です。石臼挽きの特注そば粉で打ったそばは、八ヶ岳の清き湧水できりりと締められシャキッとしたのどごしの美しい細打ち麺です。そばによく絡むつゆは、3年ものの国産丸大豆再仕込み醤油を使い、芳醇でまろやか、かつ切れのいい味わいになっています。

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冬の寒い時期のおすすめは天然鴨や八ヶ岳産のシイタケとネギの入った鴨せいろです。大きめのどんぶり鉢にサイコロ状の鴨肉とネギがこれでもかと入っていて、熱いつけ汁にユズがほんのりと香り食欲をそそってくれます。やわらかい鴨肉が香り高いそばによくあい本当に身体の底から温めてくれます。

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島崎藤村ゆかりの中棚荘の食事処は伊藤深水が愛した古民家。信州小諸「はりこし亭」

「千曲川いざよう波の岸辺近き宿にのぼりて 濁り酒濁れる飲みて・・・」と、島崎藤村が「千曲川旅情のうた」で詩にしたためた信州小諸の「中棚荘」。その中棚荘の敷地には「はりこし亭」という伊東深水がこよなく愛した、藍染め業を営んでいた築140年の古民家を移築した食事処があります。

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木組みの高い天井には太く見事な梁がめぐり、畳敷きに信州名物の長座布団と掘り炬燵式の佇まいは古き良き時代の日本建築そのままです。お座敷では、足を伸ばしてゆっくり食事が楽しめます。民家に残っていたという藍染の型紙を使った、タペストリーや暖簾が何とも粋な雰囲気です。

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名前の由来は南佐久地方の郷土料理「はりこしまんじゅう」からきています。丸めた饅頭を天井の梁を越すようにポーンと投げ、お椀で受け止めて作るというまんじゅうなのです。「君はまだハリコシなぞという物を食ったことがあるまい」という一節が藤村の「千曲川スケッチ」に登場しています。

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ここではやはり信州小諸蕎麦です。写真は「彩(いろどり)野菜そば」1200円です。そばはしっかりとコシもあり新そばの香り、口に含むと甘みも感じます。そこに添えられているのは、にんじんと大根の千切り、ワカメ、カイワレといった野菜です。つけ汁が3種。通常のそばつゆは少し辛めのキリッとした濃い目のもり汁。残りの2種はゴマとイタリアンといったサラダドレッシングのようなつゆでそばサラダといった感じです。

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食事をすると200円入浴料が割引になりますよ。

旨いそばには、水の郷・安曇野の風景の中に味がある!信州安曇野「そば処 上條」

安曇野「禄山美術館」の近く、そば処とフォトギャラリーが併設し、熊笹が茂る庭園に清らかな水が流れる、洋館建てのお店が「そば処 上條」です。

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フランス料理のお店からそば処に生まれ変わった店内は、レストランだった頃の洋風の椅子とテーブルが今も残り、洋風モダンな空間でそばや地酒のほか、蕎麦味噌などの一品料理も味わえます。

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フレンチのシェフから転向した御主人が打つそばは細打ちでありながらコシのある喉ごしのよい二八そばです。おすすめは3つ。盛りつけのバランス、味ともに評判の「鬼おろし」は、綿実油と太白ゴマ油をブレンドして風味よく揚げた「チカ」の天ぷらと辛味の大根おろしがとてもよく合う一品。羅臼昆布と鰹節で丁寧にとったダシのつゆをかけていただきます。言わばぶっかけそばであるが味の相性が抜群です。「チカ」とは北海道風蓮湖で獲れるワカサギに似た小魚です。

「天恵そば」は温泉卵を太陽に見立て、10種類の具をのせた、これもぶっかけそばになります。

冬におすすめが「つけうま」です。刺身用の桜肉(馬肉)の入った熱いつけ汁に冷たいざるそばを漬けていただきます。そば本来の味も味わえ、馬肉のコクがしみ込んだつけ汁は旨さたっぷりです。肉も固くなく、脂身もしつこくありません。桜肉もたっぷり入っていました。

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敷地内の地下40mから湧く安曇野の名水でさらしたひと口の水そばがつき、そば本来の味・香りが楽しめます。

そば処ですが、シェフがつくるアップルパイもおすすめです。

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外二のそばでいただく漬け汁のバリエーションが豊富!長野「山とも庵」

長野市街・長野高校近くで以前は「やまとも食堂」として町の食堂であったお店からそばとうどんを提供するお店なったのが「山とも庵」です。こじんまりとしたお店の入口には昔風の白地に「生蕎麦」の文字の暖簾がかかります。

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暖簾をくぐった先の店内は木のぬくもりが嬉しい落ち着いた雰囲気。カウンター席にテーブル席4卓、奥には小上がりの席もあります。カウンター横には、ぴったしカンカンの安住伸一郎のサイン」が。

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メニューには定番のせいろそばや天せいろはもちろんのこと、「おしぼり」「くるみ」「鴨」「鶏」「茸」といった漬け汁せいろそばのメニューがどれも1100円で並んでいます。店内柱には「鶏せいろそば」が貼られていたが壁にかかる額には「茸せいろそば」が写真入りで飾られ名物の予感がする。また秋といえば「きのこ」です。

厳選された鰹節と返しの効いた醤油でつくられたつけ汁に、信州きのこマイスターの奥さま厳選の北信濃産の肉厚の「ヒラタケ」「タモギダケ」がふんだんに入っています。これに10月から11月中旬は北海道産、11月中旬から12月は信州産のそば粉を外二で打ったそばをつけて頂く。きのこの良い味がでていて美味い。

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最後はつけ汁にそば湯をなみなみ注いで至福の一時を味わいました。

 

 

古刹の庫裏でいただく風情ある十割そば!信州高遠遠照寺「手打十割蕎麦処 南無庵」

天下第一の桜と名にし負う信州高遠。その高遠の奥座敷、山室の郷に佇む花と歴史の法華古寺・高遠の牡丹寺「妙朝山遠照寺」はあります。弘仁11(820)年この地の最澄が薬師堂を建て創建されたと伝えられるお寺です。

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この遠照寺の檀家婦人たちが集い、お寺の庫裡でご来山の皆様に手打ちの十割そばと、昔懐かしい郷土の味でおもてなししているのが、「十割手打蕎麦処 南無庵」なのです。

2013_0601_111005-P1030172「南無庵」は境内の右奥の庫裡にあり、靴を脱いで玄関を上がると地元のご婦人(かなりの年齢はいっておられるが)達がテーブルを囲んでいて一人のおばさんが注文を聞きにきます。まず注文する品の料金を先に払うシステムで、おすすめは十割蕎麦1000円に郷土料理香ばしい「えごまのおはぎ」がついたセット1200円を払う。ここで「高遠そば」を食べる場合は予約制とのこと。お寺の座敷で食べる蕎麦もまたいいものである。

2013_0601_103116-P1030169地元の檀家婦人が良質の国産そば粉と清冽な山室の水だけで打ち上げたコシの強い十割そばは、混じりけのない純粋なそばの旨味と甘さがしっかりと感じられ、コシが強く、のど越しもなめらかな逸品である。セットでついていたエゴマのおはぎやふき煮、煮豆、沢庵等の郷土食のほうは。お茶受けに最高であった。(やはり信州人である)

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土と手仕事が実るぬくもりの館!農家レストランの草分け、信州望月「職人館」

そば屋らしくないお店の名は「職人館」。佐久というよりは旧望月町にあり、食材にこだわったお店で一度いっていただきたいお店です。

望月町は名馬の産地で知られ「駒の里」と呼ばれおり、中山道の宿場町の面影を残します。県下有数の米どころで、そのどこまでも広がる水田に囲まれた田園地帯の中に立つ古民家を再生した店が「職人館」です。職人館という個性的な名前は、戦没学生の絵画などを集めた「無言館」の館長さんが名づけ親とのことです。

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昔情緒漂う祖父の古民家を再生し、日本での農家レストランの草分け的なお店であり、農水省の第1回「料理マスターズ」を受賞している。附近の「長者原」「御牧」などの高原でとれる玄そばを100%地粉にこだわって石臼挽きした手打そばをだす人気店である。しかし実はジャンルにこだわらない創作料理が得意なのであり、自由な発想法からは自由なそば料理が生まれる。

障子ばりの門をくぐると中は広い板の間にドーンと低く長いテーブルがおかれお客が二列に並んで思い思いに食している。奥には4人掛けのテーブル席もあるが早くから予約をいれるか、偶然の産物でしかないであろう。

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案の定長くて低いテーブルというよりは卓の前に案内される。メニューにはもちろん普通のそばもあるが野菜を主体にした創作そば料理と聞いていたので普通の蕎麦をやめて本日の変り蕎麦を聞くと「クスクス風そば」とあとは「かぼちゃ のニョッキ」はいかがですかと言われ注文する。

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あたりを見回すと「そばのリゾット」「高原豆腐」を食べているひとが多い。なにかのコースになっているのではと思いメニューを見ると 「野にきけ膳」や「山にきけ膳」といった日々の山野、畑と相談メニューがあり、これのようである。ようは山里の風土にめぐりくる季節の食材にあわせて、イタリアン・和・フレンチ・・・・・と、田舎風に料理してくれるのである。

運ばれてきた「クスクス風そば」はタイ風チャーハンの米の代わりにそばを刻んだものがはいっており「そばのリゾット」と似ている。美味しかったが「かぼちゃのニュッキ」は普通のニュッキであった。

最後にしめで土の恵みが詰まった「石臼挽き十割そば」の小盛を頼むも時間がかかり過ぎたとのことでお店が普通盛りにしてくれ、かつ冷やしトマトもサービスしてくれたのである。十割そばは滋味深く、辛めのそばつゆとの相性は抜群であった。小盛にしなくてもペロリと胃に収まるのである。そば湯もあつあつで洒落た器で供される。

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ベストな選択は二人で創作料理ひと品にそれぞれ十割そばを頼むのが良いのではないか?しかし白ワインが欲しい

 



安曇野の清冽な水で育まれる山葵とゆとりの空間で食すそば「そば処時遊庵 あさかわ」

北アルプスの山裾がなだらかな傾斜を描いて下り、やがて犀川や穂高川にぶつかる辺りで、ひと息つくように平坦になる。安曇野はその傾斜状の扇状地で、昔から湧水と肥沃な土が田畑やわさび田を育んできたのである。

道祖神めぐりの安曇野には蕎麦屋が多く、そして観光地である。おお急ぎで蕎麦屋さん「そば処 時遊庵 あさかわ」に向かう。

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平屋造りの建物で、主要道路からは少し奥まった場所にある時遊庵 あさかわは、建物には大町にあった築200年の庄屋屋敷の高い天井と梁、ナラやクヌギ材の柱を使い、珪藻土の土壁が醸す優しい店内に古い家具を配し、テーブルは築120年の松本の土蔵の梁を用い、ゆったりとぜいたくな空間の座敷席等、落ち着いた趣ながらも洗練されたセンスが光るそば店である。

2013_0822_111608-P1030530ここを訪れる人が郷愁を誘われるのは店内だけでなく、遊歩道のある前庭は、季節の草花や雑木、山ぶどうやアケビも植えられていて自由に散策でき、山野草が咲く庭園に面したテラス席もある。「自由に時を遊ぶ」という店名通り、心からリラックスして過ごせる時間を楽しむことのできる空間である。店の庭に咲くそばの花等を愛でながら散策路をゆっくり歩く。

2013_0822_112913-P1030532「わさびの花芽薬味好みそば」がこの時期人気でほとんどの人が注文していたが、やはり天ざる(1575円)である。作家物の器にもられた喉越しのよいそばを頂ける。ざる(840円)は山の様に盛られた蕎麦はニハのそばで細切である。蕎麦の長さが短く感じて、やはり蕎麦は長くてすするように食べるのが好きではある。

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